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3.帯状疱疹

帯状疱疹

帯状疱疹

からだの一定の部位がズキズキと痛みだし、前後して赤い水ぶくれがぽつぽつと出現し、時に一面にベッタリと広がる、これが帯状疱疹の典型的な発症パターンです。顔面や頭頚部や腕に出た場合は時に顔面まひや手のまひを伴うこともあります。

 

帯状疱疹はもともと子供の頃に患った水ぼうそうのウィルスが神経の根元に潜んでいて体の抵抗力が衰えたときに暴れだして発症します。

 

ですから抵抗力の弱まったときに発症する結核やガンの有無のチェックが必要です。またエイズの初発症状としても注目されています。このように帯状疱疹は単に皮膚の病気として片付けることのできない側面を持っているのです。

 

帯状疱疹になったとき

帯状疱疹は免疫力が落ちたときに出る一つの症状にすぎません。病気の原因は、高齢・疲労・大きなストレス・薬剤などによる免疫力の低下です。

 

特に免疫力の中でもウイルス感染や結核、そしてガンを防ぐ細胞性免疫の低下によっておこります。

 

治療の大方針は一生苦しまなければならない帯状疱疹後神経痛の予防と免疫力の回復です。神経痛の予防には神経ブロック療法が有効です。免疫力の回復には星状神経筋ブロックと特殊な漢方薬(保険適用)が有効です。
 

治癒の実際

1.部位

  • 胸や腹

    安静と抗ウイルス薬と鎮痛剤の服用で通常は治ります。免疫力が落ちているので2年程度は漢方薬の服用が望ましい。

  • 顔・腋・乳房・手足・股

    帯状疱疹後神経痛に移行する確率が高く、さらに神経ブロック療法を併用することが必要です。

  • 手指・耳

    神経痛だけではなく運動麻痺が出易く、手が不自由になったり顔面麻痺の後遺症のおそれがあり、最も集中的な治療が必要です。

※局所の帯状疱疹に加えて全身にポツポツと水疱がでた場合は、脳炎などの危険があり絶対に入院して抗ウイルス薬の点滴が必要です。

 

2.年齢

高齢者ほど帯状疱疹後神経痛になりやすいのでしっかり治療しなければあなりません。
神経痛への移行率は一般に〔年齢-10〕%です。70歳では6割、80歳では7割が帯状疱疹後神経痛になってしまうからです。帯状疱疹は神経の病気、全身の病気と考えましょう。
 

3.ガン・結核などの監視

帯状疱疹は細胞性免疫の低下が原因の全身病も考えられます。疲労や大きなストレスを避ける工夫と、漢方薬の長期服用によって細胞性免疫を維持することが大切です。またガンや結核が発病しないか最低でも年に一度の検査が望まれます。
 

ペインクリニックで行う治療

ペインクリニックでの治療は抗ウィルス薬の投与と、発症部位に応じた交感神経ブロックを行い、神経と皮膚のダメージを最小限に抑えそして回復を促すことが基本です。

 

さらに弱った体力を回復させるため、休養、安静も必要です。

 

疱疹が治っても痛みが残る場合を帯状疱疹後神経痛といい、治癒が難しい状態になります。

 

初めからペインクリニックで治療を受けた時は帯状疱疹後神経痛になることは少ないのですが、不幸にして痛みを残してしまってもあきらめずに交感神経ブロックを行い神経の回復を待つことが肝心です。

 

星状神経節ブロックは痛みによるストレスからくる不安定な精神状態や不眠に有効ですので可能な限り続けます。

 

その他、レーザー治療や薬物治療など総合的に治療を続けることが大切です。