1.頭痛+片頭痛
頭痛+片頭痛
頭痛は大きく分けて原因から2つのグループに分けることが出来ます。
1番目のグループに含まれるのが、脳をはじめとする体の病気によっておこる頭痛です。
この中でも治療に緊急を要するのはなんといっても脳出血、くも膜下出血などの頭の中の出血です。特徴は今まで経験したことのないほど激しい頭痛です。一刻も早く脳外科医の治療が必要です。
2番目の頭痛グループが慢性頭痛です。慢性頭痛には緊張型頭痛(きんちょうがたずつう)、片頭痛(へんずつう)、群発頭痛(ぐんぱつずつう)の3つがあります。
それでは緊張型頭痛と片頭痛についてお話しいたしましょう。
緊張型頭痛
もっともよく見られる頭痛で、筋緊張性頭痛とも呼ばれます。成人の20%が悩んでいるといわれています。
中高年に多い頭痛で、女性も男性もほぼ同じ頻度でみられます。頭痛の起こり方はいつとはなしに始まり、だらだらと持続します。部位は後頭部から首筋にかけてです。頭全体に広がりはちまき様と表現する人もあり、肩こりもよく伴います。
頭痛の程度は軽度~中等度で日常生活への影響は軽度ですので仕事は続けられます。ひどくなると吐き気も伴うことがあります。
緊張型頭痛の主原因は肩や首の筋肉のこりです。そのためこれらの症状を悪化させないことが予防上大切です。
治療は痛み止めの内服や、湿布を貼ったりマッサージ、入浴などが有効です。
それでも治らない場合は神経ブロックを用いたペインクリニックの治療が効果的です。ここで用いられる星状神経筋ブロックは筋肉の血流改善を促進し、老廃物を洗い流し筋肉を内側からほぐしてくれます。
片頭痛
頭痛は立派な病気です。きちんと治療しましょう。
日本では、慢性頭痛の患者さんが3千万人いるとも言われています。4人に1人が頭痛に悩まされているという計算になります。その中でも、片頭痛は約840万人いるといわれています。
片頭痛は、ズキズキとする痛みや吐き気を伴い、仕事や学校にも行けなくなり、日常生活にも大きな支障をきたす、厄介な病気です。
発作は不規則な生活やストレスが重なったときはもちろんですが、休みの日やテスト後など、緊張がとけた後にも起こります。
軽症のうちは、市販の鎮痛薬でも効きますが飲み過ぎにより、薬剤乱用頭痛という、治療の難しい頭痛になってしまうことがあります。
現在片頭痛には、有効な飲み薬が数種類ありますので、症状に合わせて治療することが大事です。
また、頭痛は年をとったら治ると言われていますが、片頭痛のコントロールが悪かった患者さんでは、年をとってから脳梗塞や脳出血の危険性が高くなると、最近の研究で報告されています。
このような合併症を予防するためにも、早いうちから適切な治療と、頭痛のコントロールが必要となります。
ペインクリニックで行う治療
ペインクリニックでは、内服薬を主に行っておりますが、内服でコントロールがつかない場合、星状神経筋ブロックなどのブロック治療も行っております。
片頭痛と思っていても、ちくのうや虫歯、帯状疱疹の痛みの場合もあります。自己判断せず医師に相談して、適切な治療を受けましょう。