4.肩こり+五十肩
肩こり
肩こりの原因には様々なものが考えられます。『椎間板ヘルニア』や『変形性脊椎症』、さらには脊椎そのものに圧迫が及んだ『頚髄症』などは、身体の構造上の変化(器質的変化)によって起こる代表的なものです。
『緊張型頭痛』や『更年期障害』は、身体の構造上の変化を伴わない(機能的変化)代表的診断名です。
診察した医師が、検査所見や症状から何に重点を置いて診断するかによって『肩こり』という症状が『椎間板ヘルニア』という診断を受けたり『自律神経失調症』という診断になったりすることもあります。
ただ『頚髄症』という診断を受けた場合は、これは脊髄が圧迫を受けているという診断に基づく診断名ですので、何によって圧迫を受けているのかをMRIやCTによって明らかにしておく必要があります。
ペインクリニックで行う治療
肩こりの治療は各科によって様々ですが、ペインクリニックでは自律神経で主に筋肉の緊張を高めている交感神経を休ませる「星状神経節ブロック」という治療を繰り返し行います。
多くの病気は器質的変化(骨や筋肉・血管などの形の変化)に機能的変化(筋肉の緊張や血管の収縮、自律神経の緊張など)が加わって現在の症状となっています。
星状神経節ブロックによってこの機能的変化の部分を緩和し、痛んだ神経や筋肉の緊張を和らげて血流を改善して症状を軽減させます。
自律神経への直接作用させる治療法ですので、永く続いた痛みのために乱れた自律神経のリズムを取り戻し不眠や頭痛などの様々な自律神経失調症状も合わせて改善します。
五十肩
肩関節の痛みは一般的に『四十肩』、『五十肩』、と呼ばれますが、その病態はさまざまで、深いところの筋肉が傷つく腱板断裂、筋肉に石灰が析出する石灰性腱炎、動きが制限される凍結肩などです。
これらの診断は、レントゲン装置しかない時代では、非常に難しかったのですが、最近のMRIや超音波診断装置でかなり正確に診断できるようになりました。
ペインクリニックで行う治療
当院では、超音波診断装置を用い、今まで『五十肩』と診断されてきた肩の痛みを、より正確に診断することができるようになりました。
その代表例が、腱板断裂、石灰性腱炎などです。さらに治療においても、針を正確に進められる様になり、高い効果をあげれるようになりました。